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教育革新シンポジウム2020 第3回開催報告

教育革新センター(以下,CITL)は,2020年12月21日に教育革新シンポジウム2020第3回を開催しました。

2015年度から数えて6回目の開催となる本シンポジウムは,全体テーマを「COVID-19 インパクトは大学教育の未来を変える-学習者中心の教育を再考する-」と題して3回シリーズで開催しました。
第1回・第2回では「東工大オンライン授業のグッドプラクティス」(学内限定開催)を紹介しました。第3回は「学生のエンゲージメントを高める授業づくり2」と題して,昨年の教育革新シンポジウム(2020年1月)の続編と位置づけ,本年度のテーマを総括するとともに,学外から登壇者をお招きして,COVID-19のインパクトを踏まえた未来の大学教育の変容について検討するシンポジウムとしました。

今回のシンポジウムでは学内外から参加者を募り,オンライン(Zoomウェビナー:日英同時通訳)による開催で,162名の参加を得ることができました。

また,当日は「人々の対話や議論の内容を聞き分け整理しながら,リアルタイムでグラフィックに変換し,可視化する」グラフィックレコーダー※として清水淳子氏が,オンライン上で,各話題提供や対話,全体討議の内容を整理・可視化しました

※清水淳子著,『Graphic Recorder 議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書』(2017), 株式会社ビー・エヌ・エス. p.12より引用

シンポジウム冒頭,益学長より開会挨拶があり,田中岳教授(CITL副センター長)より,本シンポジウムの趣旨説明がありました。

セッション1(話題提供)では,5名の登壇者の立場・視点から,未来の大学教育で起こり得る変化についてそれぞれ話題提供がありました。

金子大輔氏(北星学園大学経済学部教授)からは,COVID-19のインパクトを踏まえ,キャンパスで学ぶことの意義について,金子暁氏(広尾学園中学校・高等学校副校長)からは,中学・高校現場の視点から,これからの学校,教室,授業という枠組みを超えた学びの可能性について話題提供がありました。

金子大輔氏,金子暁氏による話題提供の様子

池田めぐみ氏(東京大学社会科学研究所 附属社会調査・アーカイブ研究センター助教)からは,クラブやサークル活動などの様々な正課外活動が学生・教員・社会にもたらすものについて,大久保智哉氏(OECD, Directorate of Education and Skills, Analyst)からは, OECD調査から見る日本の教育と評価の諸問題について,教育評価の視点から話題提供がありました。

池田めぐみ氏,大久保智哉氏による話題提供の様子

最後に,大浦弘樹氏(本学CITL准教授)からは,本学におけるオンライン授業の実施状況及び今後のオンライン授業の展開に向けての諸課題について話題提供がありました。

大浦弘樹氏による話題提供の様子

続くセッション2(対談)では,登壇者が二人一組となって対談を行い,登壇者さえ気づいていない新たな視点や課題を加えていきました。

金子大輔氏と金子暁氏との対談では,ICT環境整備の重要性について,池田氏と大久保氏との対談では,求められる多面的・複層的評価の重要性についてそれぞれ新たな視点が加わりました。

金子大輔氏,金子暁氏による対談の様子
池田めぐみ氏,大久保智哉氏による対談の様子

これらの話題提供,対談を踏まえ,全体討議及び質疑が行われました。

全体討議では,経済力と学力・学習意欲(学習機会の保障)への着目,COVID-19を契機に自明であった「大学」の役割・在り方の再検討の必要性,学校のインフォーマルな教育機能の重要性,こうした諸問題への対応には全学的・組織的な取り組みが不可欠であること等の活発な議論が展開されました。

田中副センター長より,今回の討議で提出された視点・アイデアが今後の大学を始めとする教育現場の一つの指針(コンパス)になれば幸いである旨のコメントがあり,全体討議及び質疑を終了しました。

全体討議の様子

最後に,水本理事・副学長(教育担当)より閉会挨拶があり,シンポジウムは盛会のうちに終了しました。

当日の清水氏制作によるグラフィックレコード(クリックで拡大)

全プログラムを終えて行ったアンケート(81名/回収率50.0%)では,来場者の満足度は「満足」と「やや満足」を合わせて88.9%と概ね高く,特にセッション1(話題提供)が有益であったことが見て取れました。自由記述には,「パネラーの皆様からそれぞれ整理された情報提供を伺い,多面的に大学教育を考える機会にできました」「大学とは何のための場所か,キャンパスとは何か,原点に帰って考え,皆様のご意見を非常に興味深く拝聴致しました」「たいへん有意義で充実した内容のシンポジウムでした。ありがとうございました。グラフィックレコーディングという新しい試みもよかったです」等の感想が寄せられました。

プログラム概要

2020年12月21日(月) 18:00~20:15  (Zoomウェビナー開催・日英同時通訳)

1. 開会挨拶 益一哉 学長

2. 趣旨説明

3. セッション1(話題提供)

登壇者①:金子大輔氏

登壇者②:金子暁氏

登壇者③:池田めぐみ氏

登壇者④:大久保智哉氏

登壇者⑤:大浦弘樹氏

4. セッション2(対談)

金子大輔氏×金子暁氏

池田めぐみ氏×大久保智哉氏

5. 全体討議及び質疑

6. 閉会挨拶 水本哲弥 理事・副学長(教育担当)

※ 発言と対話の可視化:グラフィックレコーディング(清水淳子氏)

お問い合わせ

東京工業大学 教育革新センター

TEL:03-5734-2993

E-mail:citl[at]jim.titech.ac.jp ( [at] を @ に置き換えてください)

担当者:山崎,福井