2019.04.10 Wed.
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教育革新シンポジウム2018 開催報告
教育革新センター(以下,CITL)は,2019年1月30日に大岡山キャンパス西9号館ディジタル多目的ホール,メディアホールで教育革新シンポジウム2018を開催しました。
2015年度から数えて4回目の開催となる本シンポジウムは,「大学院生とともに創る学習経験-TAを超えて-」をテーマとして開催しました。学生を主体的な学び手としていくために,学習経験を創るプロセスに大学院生が関わること,これからの大学教育と大学院生の役割について,参加者と共に考えました。学内外合わせて約80名の大学関係者,教職員,学生が参加し,学習経験創出に対する関心の高さを改めて認識する機会となりました。
全プログラムを終えて行ったアンケート(26名/回収率34.7%)では,来場者の満足度は「満足」と「やや満足」を合わせて92%と概ね高く,特に広島大学のHirodai TA制度及び本学のGSA制度の事例紹介が有益であったことが見て取れました。自由記述には,「TAの教育(取り組み)を中心に幅広い話をきくことができて,とても有益でした。(中略)TAは教員でも学生でもない,だからこそ大学にとって重要な存在であること,今後の検討にあたり考えるべきことが多く見つかりました。」「ポスターセッションの時間がもう少し欲しかったです。キャッチボックスによるフロアとのやり取りは特に有意義に感じました。」「東工大が教育熱心なのは頼もしいです」等の感想が寄せられ,シンポジウムは盛況のうちに終了しました。
当日の実施の様子やプログラム詳細,ポスターセッションタイトル一覧等については,本稿末に掲載のリンクをご参照ください。
盛況だった交歓会&ポスターセッション
基調講演に先立ち,メディアホールにおいて登壇者5名を交えて交歓会&ポスターセッションが行われました。ポスターを囲み,参加者と発表者による活発な意見交換の場となりました。
他大学からは部局間協定を締結している九州工業大学学習教育センターをはじめ,TAやSA等を活用した教育制度を実践している広島大学,国際基督教大学,成蹊大学,横浜商科大学の発表者から,取組みの紹介がありました。本学からは2017年度に採択されたアクティブ・ラーニング支援制度の取組みや,創造性育成科目,6-University Human Assets Promotion Program for Innovative Education and Research (6U-HAPPIER),情報活用IR室,CITL,オンライン教育開発室(OEDO)の取組みに加え,東工大教育賞受賞者の紹介もありました。
Professor Marcia Yonemoto
基調講演では,コロラド大学 ボルダー校Graduate Teacher Program(以下,GTP)のMarcia Yonemotoディレクター(コロラド大学ボルダー校歴史学部 教授)から,“The Graduate Teacher Program: Past Developments and Future Prospects”と題して,コロラド大学ボルダー校で運用されているGTPの目的,歴史,組織内の人員配置,運用方法,今後の目標などについて,詳細な内容が示されました。
基調講演の様子
続く事例紹介では,広島大学 高等教育研究開発センターの佐藤万知准教授による2016年度から新たに導入したHirodai TA制度に関する説明と,本学 リベラルアーツ研究教育院 室田真男教授による本学で取り組んでいるGSA(Graduate Student Assistant)制度の現状と課題に関する説明がありました。
佐藤 万知 准教授
室田 真男 教授
これらを受けるかたちで,登壇者と参加者を交えながらのラウンドテーブルが行われました。モデレーターは本学 教育革新センター 田中岳 副センター長(同センター 教授)です。ここからGTPリードコーディネーターのDr. Preston CummingとDr. Mark Pleissが加わりました。今回のテーマのもと,活発に意見交換や質疑応答が行われ,シンポジウムは盛会のうちに終了しました。
登壇者に質問を投げかけるモデレーター
Dr. Mark Pleiss
Dr. Preston Cumming
ポスターセッションタイトル一覧
タイトル | 所属・氏名 | |
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九州工業大学 学習教育センター(LTC)の取組み | 九州工業大学 学習教育センター 宮浦崇,林朗弘,小林順,坂本寛 |
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The ‘Preparing Future Faculty’ Course at Hiroshima University: Experiences and Insights | Hiroshima University Simona Zollet, Reiko Shimazu |
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ライティング指導の一端を担うチューターの役割〜大学院生ライティングチューターの視点から〜 | 国際基督教大学 深尾暁子 |
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QLAの活用による授業改善 | 成蹊大学 高等教育開発・支援センター 勝野喜以子,井上智夫,大野正智,鈴木史馬,岩間好宣,黒山幹太,坂口悠,須藤裕貴,辰間菜々 |
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横浜商科大学におけるSA制度とその教育効果 | 横浜商科大学 田尻慎太郎,西村悠,細江哲志 |
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【以下,本学における取組み】 | ||
アクティブ・ラーニング支援制度の取組み | 多人数クラスの中で1対1のきめ細かいプログラミング教育を可能にするICTシステムの開発 | 情報理工学院 情報工学系 大上雅史 |
うそ発見器の設計製作とチーム対戦を加えた能動的な演習科目の新設 | 工学院 電気電子系 安岡康一 |
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デザイン思考とハンズオンワークを用いた機械系アクティブラーニング | 工学院 機械系 八木透,鈴森康一,赤坂大樹,遠藤玄 |
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異分野協創エンジニアリングデザインプロジェクト | 環境・社会理工学院 融合理工学系 因幡和晃,齊藤滋規 |
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創造性育成科目 | 概要 | 学務部教務課 教育企画グループ |
ものつくり | 教養科目群・理工系教養科目 | |
学生プロデュース科目,教養先端科目 | 教養科目群・文系教養科目 | |
金属工学実験第一 / 金属工学創成プロジェクト | 物質理工学院・材料系 | |
都市・交通計画プロジェクト演習 | 環境・社会理工学院・土木・環境工学系 | |
デザイン思考 | 工学院・経営工学コース | |
パッシブデザイン特論 | 環境・社会理工学院・建築学コース | |
コンセプト・デザイニング | 環境・社会理工学院・地球環境共創コース | |
6U-HAPPIER, 6-University Human Assets Promotion Program for Innovative Education and Research | 6U-HAPPIER Akinori Nishihara, Yuji Kagohashi, David Stewart, Akira Yamada, Atsushi Takahashi, and Jun-ichi Takada |
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IR人材育成に向けて | 情報活用IR室 小野寺理香,田中要江,加藤信也,大石哲也,森雅生 |
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教育革新センターの概要と活動紹介 | 教育革新センター 大浦弘樹,田中岳,高橋将宜 |
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東京工業大学におけるオンライン教材(MOOC/SPOC)開発 | 教育革新センター オンライン教育開発室 森秀樹,Jeffrey Cross |
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東工大教育賞 受賞者一覧 | 人事課労務室 |
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